2014年 12月 21日
12月21日 世界に拡がるクリスマス
(ルカによる福音書2:10) 大谷唯信牧師
「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ主なるキリストである。」
全人類の救い主がお生まれになったのは、初代ローマ皇帝アウグスト(前31-後14)の即位時代、属国とされたユダヤのヘロデ王の治世の時、エルサレムの片田舎ベツレヘムの貧しい馬小屋であった。「マリヤは月が満ちて、初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである」。(ルカによる福音書 2章6-7節)人口調査の命令のため、街々は連日多くの人々でごった返していた。
全世界に及ぶこの馬小屋の出来事に気づくものは誰もいなかったのである。しかし、天の御使いはある人たちに知らせた。それは羊の番をして野宿をしていた貧しい羊飼い達にであった。東方から星に導かれ御子の誕生を祝いに来た三人の博士がいた。地方の身分の高い王侯貴族の者と思われるが、当然のこととして、ユダのヘロデ王を表敬訪問している。
「ユダヤ人の王としてお生まれになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みに来ました。」(マタイによる福音書 2章2節)王は不安を感じ、早速律法学者に調べさせると、預言者ミカ(前740~700)の預言の言葉が見つかった。「しかしベツレヘム・エフラタよ、あなたはユダの氏族のうちで小さい者だが、イスラエルを治める者があなたのうちからわたしのために出る」(ミカ書 5章2節)
また同じ時代の預言者イザヤ(前745~695)の言葉はもっと明確である。「ひとりのみどりごがわれわれのために生まれた。ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、『霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君』ととなえられる」(イザヤ書 9章6節)と。それから700年あまり経ち、心配するヨセフに御使いはあらわれ、「彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となる」(マタイによる福音書 1章12節)と言う。それから2000年、今や世界中にクリスマスは知られているのである。
by oume-akebono
| 2014-12-21 20:00
| 週報メッセージ